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金融経済教育推進機構や認定アドバイザーに関する質疑応答
2023年6月7日に開催された『第211回財務金融委員会』では金融商品取引法等の一部を改正する法律案等に関する審議がなされ、同委員会内で金融経済教育推進機構や機構が認定する中立アドバイザーについての質疑応答がなされました。
今回は衆議院のHPで公開されている議事録をわかりやすくまとめました。
機構が認定する中立アドバイザー
左側が質問者で右側が政府の回答者です。質問者は野党国会議員、回答者は鈴木財務大臣(青いペンギン)と政府参考人として井藤金融庁企画市場局長(白いペンギン)となります。
学校や企業等を対象に出張授業やセミナーなどを幅広く実施する予定である。
講師は主に、機構が認定するアドバイザーを派遣する予定である。
機構において、顧客の立場に立つという観点から、販売業者等から報酬を得ない等を要件に、認定をしたアドバイザーをリスト化、公表していく考えである。
販売業者等からの報酬を得ずにビジネスモデルとして成立するのかについて、例えばアドバイス費用だけでなく企業が従業員に対するセミナーを行う際に講師として派遣することも考えられる。
機構の中立性の確保
中立性については、認定時の審査およびその後の機構による監督を行うことで担保する。
報酬については、機構において民間団体の例を参考に適切に設定する。
機構の組織・事業運営について
日銀内の金融広報中央委員会の機能を移管承継し、全銀協や日証協等の民間団体の活動内容を可能な限り集約する予定である。
金融広報中央委員会の35名、他団体の数名から数十名規模で金融経済教育事業を運営している。
民間団体からの出向も含め体制の構築をする必要がある。
機構は民間の発起人が発意して政府に申請する。理事長は内閣総理大臣が任命する。国の認可を受け、理事長が理事や運営印を決定する。その後職員も決まるということである。
機構は国の予算も出るようだが、日銀や国の天下り先にならないのか?
機構と学校教育・消費者教育との関係
2022年4月より高校の学習指導要領に金融経済教育の充実が図られたが、教員側の専門性が不足している。
機構を中心に、学校や文科省と連携し、現場負担に配慮しながら金融経済教育の円滑な実施を支援していく。
具体的には、教材コンテンツ講師派遣ウェブサイトを通じた情報発信をしていく。
機構は消費者教育の視点を重視していく。これまでと基本的な考えは変わらない。
具体的には、家計管理や生活設計、詐欺的な投資勧誘等の金融トラブル防止のための教育等にもバランスよく取り組んでいく。
法案は可決されたが、附帯決議あり
附帯決議とは
附帯決議とは、政府が法律を執行するに当たっての留意事項を示したものですが、実際には条文を修正するには至らなかったものの、これを附帯決議に盛り込むことにより、その後の運用に国会として注文を付けるといった態様のものもみられます。附帯決議には、政治的効果があるのみで、法的効力はありません。)
出所:参議院HP「委員会の活動(1)」
付帯決議の内容
一 金融経済教育の意義・目的には、金融リテラシー(金融に関する知識・判断力)の向上を通じて、国民一人一人が、経済的に自立し、より良い暮らしを実現していくことを可能とすることがあることに鑑み、以下の事項に留意した金融経済教育を推進すること。
1 金融商品取引を装った無登録営業、詐欺的な投資勧誘、脱法的なマルチ商法による被害が多数生じている現状を踏まえ、被害防止に必要な情報を適時適切に提供する仕組みを整えるとともに、批判的かつ多角的な判断力のかん養を支援すること。
2 投資の必要性又は有益性のみを強調するのではなく、リスクの正しい理解の浸透にも努め、個人のライフプランを踏まえた資産形成における自由な意思決定による貯蓄と投資の組合せを尊重すること。
二 金融経済教育推進機構の運営に当たっては、官僚の天下り先の確保や新たな資格認定を通じた利権の温床とならないよう人事情報や財務内容を積極的に開示するほか、以下の事項に留意すること。
1 金融経済教育推進機構の目的は、「適切な金融サービスの利用等に資する金融又は経済に関する知識を習得し、これを活用する能力の育成を図るための教授及び指導を推進すること」であって、本法による改正後の金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第八十二条第一項に基づく基本方針の内容に完全に含まれるものではないこと。
2 1の「適切な金融サービスの利用等に資する金融又は経済に関する知識」には、資産形成だけではなく、金融広報中央委員会が従来扱ってきた家計管理・生活設計や消費者被害防止等も含まれ、その知識を習得し、「これを活用する能力の育成を図るための教授及び指導」は、金融経済教育推進会議作成の金融リテラシー・マップを基本としたものを通じて行われるものであること。
3 政府・金融経済教育推進機構は、これまで金融広報中央委員会が実施してきた学校教育に向けた金融教育プログラムをはじめとした、金融教育教材作成、教員向けセミナー、作文・小論文コンクール等の活動、及び経年的に行ってきた「家計の金融行動に関する世論調査」や「金融リテラシー調査」等の基礎的な調査・報告等の意義・成果を踏まえながら、活動内容を充実させるとともに、金融経済教育が広く国民に提供されるよう取り組むこと。
三 金融経済教育推進機構に対して国が行う監督の実効性を確保するため、及び、地方公共団体や民間事業者の取組に対する支援を全国において着実に実施するために必要な体制を整備すること。
四 金融サービスの提供に当たり、「顧客等の最善の利益」を図るための取組が徹底されること。
五 本法附則第六十九条の検討条項に関して、改正後の各法律の施行の状況等を勘案するに当たっては、金融サービスの顧客等の利便が向上し、かつ当該顧客等が保護されているかを十分に検証し、必要があると認めるときは、各法律に基づく制度の改善につなげるための検討を行うこと。
法案は秋の臨時国会での成立か
委員会で金融商品取引法の一部改正案は承認されましたが、防衛費増額を裏付ける防衛財源確保法の審議や立憲民主党による岸田内閣の不信任決議案を衆院に提出したことにより、国会会期末までの法案成立を実現できませんでした。
2023年秋の臨時国会にて成立が見込まれる予定ですので、引き続き情報が入りましたら、記事に掲載していきます!
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