学校・人事の方向け

【人事】職場つみたてNISAをご存知でしょうか

職場つみたてNISAとは

つみたてNISA

 つみたてNISAをご存じの方は多いと思いますが、職場つみたてNISAという制度があることをご存じでしょうか。この記事では、職場つみたてNISAの制度内容と実施することによる企業のメリットなどについてまとめていきます。

 職場つみたてNISAとは、「給与天引き」か「口座振替」により、つみたてNISAを実施することができる制度です。毎月の積立は1,000円単位で、少額から投資を行うことが可能です。また、給与天引きであれば、財形貯蓄や選択型確定供出年金などと同様、給与口座に振り込まれる前に積立に回すことができるので、確実な積立が実現できます。

つみたてNISAと職場つみたてNISAの比較

つみたてNISA職場つみたてNISA
非課税期間20年間20年間
年間上限額40万円40万円
給与天引き×
株式への投資××
投資信託への投資

 給与天引きにより、つみたてNISAができる制度であると理解いただければよいでしょう。

職場つみたてNISAは、福利厚生制度です

福利厚生

 職場つみたてNISAは福利厚生制度となるため、誰もが利用できるわけではありません。従業員の資産形成ができるよう会社が職員を支援する、福利厚生の増進を図ることを目的とした制度です。

 会社が契約した金融機関の取扱う職場つみたてNISA専用の投資信託ラインナップの中から、従業員が選択する形になります。

職場つみたてNISAのメリット

会社のメリット

導入コストが発生しない

 導入コスト無しで、従業員の資産形成に適した福利厚生制度の導入が可能です。似た制度で選択型の確定拠出年金制度がありますが、こちらは初期費用がかかることが一般的ですので、費用をかけずに福利厚生制度を充実させることができます。

従業員に対する制度・運用商品の説明は、金融機関のサポートあり

 新制度の導入時には、従業員が制度内容を理解できるように、説明会などを行ったり、労働組合へ説明を行うことになりますが、金融機関側でサポートしてくれるので、会社の担当者は説明会の企画調整を中心に行い、内容はプロの金融機関に説明を任せるという形で制度導入を進めることが可能です。

奨励金の設定が可能

 財形貯蓄と同じイメージとなりますが、会社が奨励金を出すことも可能です。奨励金を出すことにより、従業員の満足度をより高めることに繋がります。

従業員のメリット

給与天引きによる積立てが可能

 従業員は給与支給日に合わせた定期的な積立を行うことで、最強の積立投資である「長期・積立・分散」を実現することができます。

職場だからこそ、投資のハードルが低く始められる

 自ら証券会社へ赴き口座開設し、NISAを実施したり、もしくはネット証券で口座開設することは、投資未経験者にとってはハードルが高い作業です。

 一方で職場つみたてNISAであれば、会社で制度内容の説明を聞き、手続きも会社人事のサポートを受けることができること、同僚も実施する安心感などから、第1歩を踏み出しやすいと思われます。

少額からの投資が可能

 1,000円以上1,000円単位で、奨励金含め月額33,000円まで投資可能ですので、本当に不安な場合は1,000円からスモールスタートすることができます。

新NISA(2024~)と職場積立NISAについて

新NISA

 「令和5年度税制改正」により2024年1月から新NISA制度が始まります。

 現在は選択制である一般NISAとつみたてNISAを一本化し、『つみたて投資枠』『成長投資枠』を併用できる新制度が設けられることになりました。新NISAは、投資可能期間の恒久化、非課税保有期間の無期限化など、大幅な拡充に踏み切っています。

 令和5年度税制改正では、職場つみたてNISAについても、企業の導入を促進し、より活用しやすくするための各種措置を検討・実施していくとされています。今後の情報展開がありましたら、このサイトでも情報発信をしていきます!

1級FP技能士/元銀行員
まくすけ(1級FP技能士)
こんにちは。まくすけです。 元メガバンクの社員です。 銀行での経験を活かして、金融教育に関する情報発信をしています。
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